2018年10月から、連続テレビ小説「まんぷく」が始まります。
モデルとなっているのは日清食品グループの創業者、安藤百福(ももふく)氏とその妻・仁子(まさこ)氏であることは、もう有名ですね。
2人のうち奥さんの方にスポットをあてた展開は「マッサン」を思わせます。
今回は、
・「まんぷく」のタイトルの意味とあらすじ
・実在モデル・安藤仁子と朝ドラ脚本の違い
・歴代朝ドラとの類似点~マッサンが一番近い
の順で、見ていきましょう。
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「まんぷく」のタイトルの意味とあらすじ
以下がNHKから発表された主な配役です。
安藤サクラ / 今井福子(ヒロイン)
松下奈緒 / 香田克子(福子の次姉)
要潤 / 香田忠彦(克子の夫)
内田有紀 / 今井咲(福子の長姉)
大谷亮平 / 小野塚真一(咲の婚約者)
松坂慶子 / 今井鈴(福子の母)
長谷川博己 / 立花萬平(のちヒロインの夫)

舞台は戦前の大阪、主人公は福子といい、三人姉妹の末っ子です。
福子の18歳から話はスタート。
朝ドラヒロインの子供時代が描かれないのは、久しぶりですね。
福子はいずれ長姉に代わって一家を支えるわけですが、ここで出会うのが実業家の夫「立花萬平」です。
そう、萬平と福子、萬福改め「まんぷく」というわけです。
福子は自由奔放な夫と、武家の末裔である堅実な母親の間で苦労する様子です。
朝ドラでは、萬平がインスタントラーメン成功に至るまでの福子の人生を中心に描かれることになります。
史実だとチキンラーメンが発売されたのは1958年ですから、終戦を挟んで30年ほどの苦労話ですね。

実在モデル・安藤仁子と朝ドラ脚本の違い
モデルの安藤仁子は大正4年生まれ。
福島県の二本松神社の宮司の家柄で、百福との間の子は宏基と明美の男女2人です。
結婚は戦中の昭和20年、27歳。
夫がついにチキンラーメン成功にたどり着いた時には40歳くらいということになります。
その後2010年に92歳で亡くなるまでは、すこしは楽をさせてもらえたでしょうか。
さて、このドラマがすでに史実と違っている点はこのようになります。
・ドラマの福子は大阪、仁子は福島育ち
・仁子の夫百福は、台湾出身
・史実よりかなり前に結婚か?
・夫の台湾妻の存在
事実を生かして福島県に花を持たせるかと思いきや、そこはバッサリ切ってしまいましたね。
それから、実際に百福氏が生まれたのは台湾です。
当時は日本の統治下にあったため、国籍が整うのは戦後ということになりますが、結婚で初めて日本姓を持ちます。
初めから立花姓の萬平とは異なりますね。
「世紀の大発明・インスタントラーメンは日本人の功績」と、明言したかったからに違いありません。
また、夫となってからの萬平の失敗事業として「航空機エンジン部品」が挙げられていることから考えると、結婚も戦時中の早めの設定になります。
それから、台湾では合法だった、複数の奥さんの話も、朝ドラらしからぬ状況なので、削除は避けられませんね。
百福氏には台湾二人の奥さんがいて、
第一夫人との間に長男・宏寿、第二夫人との間に宏男・武徳・美和と、たいへん子だくさんです。(台湾は当時お妾さんが合法だった)
婚姻関係のもつれや遺産争族などのドロドロは、朝ドラでは封印されますよね。
しかし宏寿氏はのちに社長にもなりますから、省略した事実をどこで帳尻合わせするのか、逆に興味がわいてきますね。
実際にNHKの注意書きにも、
実在の人物をモデルとしますが、激動の時代を共に戦い抜いた夫婦の愛の物語として大胆に再構成し、登場人物や団体名は改称した上、フィクションとしてお届けします。
とあります。
こう見ると、あまり歴史的事実を期待せずに、ドラマを楽しむ方向がいいですね。
■ 安藤百福年表
1910年 台湾生まれ
1932年 メリヤス会社設立
1933年 来日、大阪に日東商会を立ち上げる
1945年ごろ 軍需関係で横流しの疑いにより逮捕
1945年 仁子と結婚
1946年 大阪に中交総社を設立塩製造や漁業などを手掛ける
1948年 脱税容疑で逮捕(みせしめ説あり)2年で釈放
1951年ごろ 大阪華銀の理事長になったが破綻、財産を失う
1958年 チキンラーメン完成
1966年 カップヌドール完成
1971年 浅間山荘事件、カップヌードル躍進のきっかけになる
1981年 会長に退く(長男・宏寿氏社長に)
2007年 1月5日死去(96歳)

歴代朝ドラとの類似点~マッサンが一番近い
比較的史実にモデルを求めることの多い朝ドラですが、「まんぷく」との類似点でざっと思いつくのは、下記になります。
ドラマ名 | シーズン | ヒロイン | 事業 | モデル |
わろてんか | H29年度後期 | 葵わかな | きたむら商店 | 吉本興業 |
べっぴんさん | H28年度後期 | 芳根京子 | キアリス | ファミリア |
とと姉ちゃん | H28年度前期 | 高畑充希 | あなたの暮らし | 主婦の友 |
マッサン | H26年度後期 | シャーロット・ケイト・フォックス | ドウカウヰスキー | ニッカウヰスキー |
いずれも戦中の苦しい次期を耐え忍び、戦後に花開いた起業家か、その妻たちです。
「とと姉ちゃん」は、自らが家族を支える大黒柱を目指す点では、「まんぷく」にそっくりですね。
「わろてんか」「べっぴんさん」は関西が舞台です。
将来なりうる、関西弁の肝っ玉母さんぶりには共通点があるかもしれません。
しかし一番似ている雰囲気なのは、やはり「マッサン」ですね。

ヒロインはひたすら内助の功ですがそれを楽しみ、夫は突っ走り型の実業家で家庭の機微は顧みず…という予想できるパターンが似ています。
そういえば、今回萬平役の長谷川博己と「マッサン」こと玉山鉄二は、大河ドラマ「八重の桜」で共演していたのでした。
そんなあたりにも、縁を感じますね。

まとめ
いかがでしょうか。
こうしてみると、「まんぷく」は最近の安定した人気ネタを盛り込んできた感がありますね。
また2020年の東京5輪を見据えて、局をあげて大河ドラマだけでなく、前回の東京オリンピック時代の日本の躍進を推していこうという意図も見えます。
いずれにせよ、ドラマは面白いのが一番。
史実の方は薄目に見つつ、朝からやる気を分けてもらう気分で、視聴するのが良いですね。

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